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魔法の夜


私の知っている最も美しい夜の話をします。

長かった乾期も終わり、
最初の雨が降った直後に
アフリカの誰も知らない村に、私はいました。
世界でも最も貧しい国の一つマラウィの
都市からも文明からも遠く離れた
小さな村に降ってきたその夜は
N.Y.の夜景も、バルセロナのクリスマス飾りもかなわない
きらびやかなものでした。
宝石箱をひっくり返したように
何万というホタルが
村中の空気を染め
電気のない小さな村が明るく輝きました。
ホタル、ホタル、ホタル!
息を吸えばホタルを吸ってしまいそうなぐらい
そこらじゅうにホタル!
まるで村中がクリスマス・ツリーと化したようでした。
木々は点滅し、空気は青く光り、
湖は反射で2倍光ります。
私は外でただただ立ちつくし
魔法の夜を見つめるだけでした。
眠ろうと部屋に入っても
どこからか紛れ込んだホタルが
窓の網戸にとまった数十匹と一緒に点滅し
部屋は魔法の洞窟と化します。
ホタルの饗宴は幾日か続き
やがて
パタリと止まりました。
私はここで世界で一番美しいものと
世界で一番貧しく汚いものを
毎日みています。
そして、そういう自分を
とても幸運に思います。



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