ナミブ砂漠から大西洋にむかって灼熱の荒野を走っていくと
よく蜃気楼を目にします。「逃げ水」という名前のとおり
殆どの場合、光る泉が彼方に見えて近づくと逃げてしまうのですが、
時には光り輝く都市や海のように見えたりします。

だから、長い長い砂漠のドライブの後、突然冷たい大西洋が
出現すると蜃気楼のように思えてしまうのですが、海岸線が
美しいピンク色の花々に覆われていればなおさらのことです。

近づいてみると、花のように見えたのはたおやかな
フラミンゴたち。

砂漠と大西洋に囲まれたここワルビスベイの湿地帯は
アフリカ大陸でも最も重要な水鳥の生息地の一つで、
南部アフリカに生きるフラミンゴの50%前後がここに集まってきます。


残念なことに、ワルビスベイはナミビア一重要な貿易港であるのは
もちろんのこと、 天然塩をはじめとする産業地帯でもあります。
ゆったりと食事をするフラミンゴの群れのすぐそばを
高速の大型トラックが絶え間なく行き来するので、
事故にあってけがをしたフラミンゴも時折目にします。

交通事故で体が不自由になってしまったフラミンゴは
大抵群れから外れて寂しくたたずんでいます。
このフラミンゴは片足が折れてしまっていますが、
独り立ちつくすこの鳥の目には心を打たれます。

フラミンゴは渡り鳥ですが、数年に一度不思議な現象が起こります。


エトシャ国立公園内のエトシャパンは
4700平方Kmもある 巨大な荒野で
一年の殆どはからからに乾いています。

このエトシャパンも数年に一度、雨が充分に降ると
北部から流れ込んだ水がたまることがありますが、
中心部近くに やや小高い場所が3箇所あって、
水がたまると小さな島が3つ誕生します。
水に囲まれたこの島は、陸に住む天敵から 巣や卵を
守る絶好の場所になりますが 雨がたまること自体稀ですし、
降りすぎても島が水没してしまいます。

でも、不思議なことにこの島が出現したときのみ、
ものすごい数のフラミンゴたちが
ナミビアのみならず 南アフリカ、
ボツワナや東アフリカ各地から
この島に渡ってきて 繁殖をするそうです。

何百キロも離れた場所に住む
何百何千というフラミンゴたちは
どうやってエトシャの雨の条件、パンの水位、
島の状況がわかるんでしょう?

科学者たちはフラミンゴの奇跡と呼んでいます。
大西洋に夕陽が沈む時間。


水も空気も鳥たちも
ゆっくりと茜色に染まって
この世のものとは
思われない美しさに
息が止まりそうになります。
おやすみなさい
フラミンゴ

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